脳卒中の中でもうひとつ怖いのが、あるタイプの脳梗塞。心原性脳塞栓と呼ばれるタイプで、巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄(82)は14年前、サッカー元日本代表監督のオシム(76)は11年前に発症したことで知られる。
「一般に脳梗塞は、脳の血管でできた血栓が悪さをしますが、心原性脳塞栓は心臓でできた血栓が脳に流れて発症します。心原性はより太い血管を詰まらせるので、一般の脳梗塞より重症化しやすいのです」
福岡県久山町の研究では、死亡を含む重症例は一般の脳梗塞が18~37%だったが、心原性脳塞栓は52%に上った。しかも血栓を溶かす治療の適用となったのは、わずか11%と少なかったのだ。長嶋やオシムは一命を取り留めたが、必ずしも助かるとは限らない怖さがあるだろう。
「ただし、心原性脳塞栓は、不整脈がベースにあります。不整脈を薬や手術で治療し、血栓ができにくくなる抗凝固薬を服用すれば、予防できます」
3人のように万が一のピンチを免れるには、予防が一番。今回のチェックリストは、「はい」が多いほど危ない。リストを参考に予防した方がいいだろう。
あなたの知らない突然死の現場