■院内感染が拡大してしまうと命取りに
MRSAもVREも、症状が表れていない保菌者は少なくありません。特にVREは排泄物から伝染するのでMRSAの40倍もうつりやすく、院内感染を起こしやすいのです。
保菌者から医師や看護師といった病院職員に感染してしまうと、本人に症状が表れなくても、患者にどんどん感染が拡大してしまいます。そのため、まずは「手指衛生」の徹底が重要です。手はあらゆる場面で共通して使われるので伝播経路になりやすいため、頻繁にアルコール消毒をする必要があるのです。ノロウイルスにはアルコールは効きませんが、MRSAやVREには効果があります。病院職員がアルコール消毒をこまめに実施しているかどうかで、感染症対策をしっかり行っている施設かどうかがわかります。
日頃から感染症対策をきちんと行っている病院であれば、仮に発症しても対応策がしっかりしていることも多いので、患者が亡くなるところまではいかないケースがほとんどです。ただ、患者の中に保菌者がいるということは、そこからどんどん保菌者が増えていくという状況が起こり得るので、病院側は常に監視しておくことが重要です。
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