東京23区で、港区に次いでリッチなのが千代田区(2013年の平均所得784万円)と渋谷区(同703万円)です。普通のサラリーマンにとっては、働く場所であっても住む土地ではありません。そんな両区の平均所得は、過去において港区とほとんど同じ動きを示してきました。1980年代から90年代初頭のバブル期に急上昇し、バブル崩壊とともに急落。その後は90年代を通して横ばい状態だったのが、2000年ごろからITバブルに乗って再び上昇に転じ、08年のリーマン・ショックを境に急落――といったお決まりのパターンを描いています。
一方、平均所得が足立区に次いで少ないのが葛飾区(同333万円)と北区(同344万円)。「寅さん」や「こち亀」で有名なのが葛飾区、埼京線の十条駅や赤羽駅があるのが北区です。両区ともITバブルの恩恵を受けることはほとんどなく、足立区と同様、91年をピークに平均所得が緩やかに減少の一途をたどっています。

足立区vs港区 足立区は所得が低いが平均寿命は延びている
- 2018年03月08日

足立区vs港区 低所得者が短命とは限らない
- 2018年03月13日

永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。