独白 愉快な“病人”たち

42歳で大腸がん手術 金哲彦さんは大量下血にむしろ感謝

手術のときは「腹筋だけは傷つけないように」と医師に伝えた(C)日刊ゲンダイ

 その後、紹介された病院でCTや腫瘍マーカーなどの検査をして正式に「大腸がん」と診断されました。でも詳しいことは手術してみないとわからないとのことでした。改めて腹部を触ると、確かにグリグリしたものがありました。手術前は恐怖というより早く取ってスッキリしたいという思いが強かったです。

 手術では開腹してS字結腸を4~5センチ切除しました。お願いしたのはたった一つ、「腹筋だけは傷つけないように切ってください」でした(笑い)。

■「後から思えば、予兆はあった」

 無事に手術が終わり、何より嫌だったのは尿道カテーテルがつながれた状態です。手術翌日にはICUから一般病棟に移ったので、「尿道カテーテルを外してほしい」と訴えました。「自力で排尿できるなら」ということで試しに外してもらい、点滴スタンドを支えにして必死でトイレまで歩きました。でも、いざ尿を出そうという段階になると出せないんです。縫い目がつれるような激痛で自力排尿は無理でした。「そうでしょうね」と言いたげな医師に、その後すぐに麻酔なしでカテーテルを付けられてしまいました(笑い)。

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