「20歳以前の除菌は有益」 ピロリ菌専門医が提唱する根拠

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 かつ、40歳以上では胃がん検診を受ける機会があるが、40歳未満ではそういった機会が乏しく、「症状があるので病院に行ったら進行がんだった」となりかねない。さらに、若年性はスキルス胃がんが多いので、見つかった時点で手遅れということもある。

「早期に除菌治療を受ければ若年性胃がんのリスクが下がるというエビデンスはまだない。しかし、大きなリスク要因となるピロリ菌を、胃がんのリスクがある20歳より前に除菌しておくことは、さまざまな状況から鑑みて、かなり有益だと考えています」 

 内山医師はすべての中学生にピロリ菌検査を勧めているのではない。提案するのは、「親がピロリ菌に感染しているなら、子供も検査を」。 

 昔は公衆衛生の悪さからピロリ菌感染が起こったが、現在の若年者のピロリ菌感染はほぼ、乳幼児期に親から子供へ口移しで食べさせたこと。

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