年齢による孤独の影響の違いも分かってきました(Psychoneuroendocrinology、2010年など)。若年層では、孤独の影響がコルチゾール濃度にすぐに反映され、孤独が解消されれば、コルチゾールも低下します。
ところが年齢が上がるにつれて、孤独の影響をより長く引きずるようになるのです。前日の孤独感が、翌朝のコルチゾール濃度にまで影響することが示されています。
つまり、孤独感がコルチゾールを介して高血圧、高血糖(糖尿病)、寝不足を招き、しかも年齢が上がるほど、影響が長引く、ないしは慢性化するというわけです。
メタボリックシンドロームのことを、「死の四重奏」とも呼ぶことをご存じでしょうか。高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病の4つが重なると、心筋梗塞や脳卒中のリスクが3~4割も高まるからです。孤独感は、少なくともその2つと深く関係しているわけです。つまり孤独対策は、とりわけ中高年にとって、メタボ対策と同じくらい重要な問題なのです。
がんや心臓病より怖い