ガンマナイフで生命予後の改善 転移性脳腫瘍の最新治療

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 転移性脳腫瘍が大きかったり、数が多すぎたりして、「ガンマナイフでは転移性脳腫瘍を全て取りきれない」といったケースの場合でも、悪影響を及ぼす場所の脳腫瘍を取り除くことで、生命予後と機能予後、あるいはどちらか一方が改善されることがある。

「58歳で文筆業の女性は肺がんから転移して脳の右側に転移性脳腫瘍が。体の片側に麻痺が出て文字を書けない。ガンマナイフを行ったところ、2カ月後には麻痺が消え文筆活動を再開。QOL(生活の質)が上がったと喜んでおられました」

 転移性脳腫瘍への放射線治療は定位放射線(ガンマナイフ)のほか、脳全体に放射線を照射する「全脳照射」もある。

「脳腫瘍が4個以内、3センチ以下が定位照射、それらを超えたら全脳照射」とされているが、赤羽センター長らは「2~4個の群」と「5~10個の群」で比較試験を行ったところ、どちらも生命予後は同等だった。この結果は、世界5大医学雑誌「ランセット」の姉妹誌「ランセット・オンコロジー」に掲載された。

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