山菜採りや潮干狩りの季節ゆえ 春の食中毒はこんなに怖い

食材調理による自然毒に注意(C)日刊ゲンダイ

「ジャガイモの芽や皮には天然毒素であるソラニンやチャコニンが含まれています。とくに学校や家庭菜園などで育てた小さく未熟なジャガイモには多く含まれています」

 フグによる食中毒の7割以上は家庭内で起きている。魚を釣ったからといって知らない魚は食べないこと。実際、フグ以外にも有毒魚はたくさんあってアオブダイはそのひとつ。西日本で釣れる魚で、環境により毒性化することが知られている。6年前には長崎県内で釣ったアオブダイを自宅で調理した70代の男性が死亡、一緒に食べた妻や息子が腰痛などの体調不良を訴える事件が起きた。

「巻き貝以外にアサリやハマグリなどの二枚貝による食中毒も報告されています。昨年4月には愛知県で採れたアサリから基準を上回る貝性毒が検出されたため、愛知県内の一部で潮干狩りが中止になりました」

 貝による食中毒は、有毒プランクトンによって毒性を持っていない貝が毒化することでも起きる。日本では定期的に有毒プランクトンの検査を行い、基準を超える毒性のある貝の出荷を止めている。そのため、貝毒による食中毒の報告は少ないが、公認の潮干狩り場以外で貝を採るのは法律面だけでなく、健康面からも避けた方が無難だ。

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