これまでの健康常識は捨てていい

ピロリ菌の除菌治療で胃がんリスクはゼロになるのか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、長年にわたってピロリ菌の攻撃を受けていれば、胃がんに発展しかねないほどのダメージが残ってしまうのです。

「年齢が上がるほど胃がんのリスクは高くなるので、なるべく早くピロリ菌を除菌する。そして除菌後も安心せず、胃がん検診を受け続けることが大切です」

 一方で、ピロリ菌を除菌する人が増えると、他のがんが増えることが懸念されています。胃粘膜が回復して胃酸の分泌が活発になると、逆流性食道炎から食道がんになるリスクが高まるというのです。

「確かに胃酸が増えれば食道に逆流しやすくなります。しかし、逆流性食道炎は比較的容易に発見でき、治療薬も確立しています。胃がんは、がんの部位別で見た死因第2位(男性)ですから、胃がん予防を優先すべきでしょう」

 ピロリ菌があるなら、早めの除菌が正解。その上で、逆流性食道炎を予防するために、脂っこい食べ物や甘い物、アルコール、刺激物は控えましょう。

2 / 2 ページ

関連記事