子供の近視が気になる親必読 オルソケラトロジーとは何?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子供のオルソ治療のメリットは、日中の視力回復だけではない。「近視の進行が抑えられる」効果が期待されているのだ。ある報告では、オルソ使用とメガネ使用の子供43人を対象に近視の進行度を比較したところ、オルソの子供の方が近視につながる眼軸長(眼球の奥行き)の伸びが3割ほど抑制できたという。海外でも、「オルソケラトロジーが将来の失明リスクを伴う強度近視発生を防ぐ可能性がある」と報告されている。

 子供の近視は仮性近視から始まる。最初は目の中の緊張が高まって水晶体が厚くなることで、一時的に網膜より前で焦点を合わせてしまって像がぼやける。これが徐々に眼軸長の伸びにつながり、近視が進んでいく。

「眼軸長は成人で24ミリ程度ですが、近視が進んで26~27ミリ、中には30ミリを超えてしまう人もいます。こうなると『強度近視』の状態です。眼球がラグビーボールのような形になってしまうことで、血行が悪くなったり神経線維が引き伸ばされるなどして、40~50歳になったときに眼底出血を引き起こします。これを繰り返していると、失明に至ってしまうのです」

3 / 4 ページ

関連記事