前立腺がん早期治療 トモセラピーのメリットとデメリット

唐澤部長とトモセラピー(C)日刊ゲンダイ

「長期成績が出ていないのでトモセラピーによる治療が本当にいいかどうかは明言できません。少なくとも10年間の経過観察は必要。しかし経験から、非常に優れた治療法だと考えています」

 なぜなら副作用が少ないからだ。全身転移のない前立腺がんの治療は「全摘手術」「放射線治療」「ホルモン療法」「経過観察」などがあるが、手術では尿失禁、勃起不全という副作用がある。手術支援ロボット、ダビンチの登場で率は減っているもののゼロではない。

■尿失禁もほとんど起こらない

「放射線治療のひとつであるトモセラピーはホルモン療法と併用して行いますが、低リスクの前立腺がんでは手術と治療成績が同等。中・高リスクでも同等の成績が期待できます。一方、トモセラピーでは尿失禁、勃起不全が起こりにくい」

 勃起機能を術前と同様に保てる点に着目してトモセラピーを選ぶ患者も少なくない。ただし、前立腺の中を尿道が通っているため、頻尿になるリスクがある。

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