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宮迫博之は42歳で胃がんに 内科医が教える早期発見のカギ

宮迫博之
宮迫博之(C)日刊ゲンダイ

 お笑い芸人の宮迫博之さん(48)が胃がんの手術をされたのが42歳の時。私も今、42歳で、最近よく胃痛を起こします。胃カメラで「潰瘍の痕あり」と指摘され、胃がんを心配しています。 (42歳・男性)

 胃潰瘍が胃がんになる可能性は極めて低い。「潰瘍の痕がある」=胃がんのリスクが高くなるとは言えません。

 気になるのは「ピロリ菌の検査を受けたかどうか」。これに尽きます。人間ドックなどで「胃の萎縮がある」と言われたことがありますか? 萎縮がある場合、私なら「ピロリ菌を調べませんか?」と必ず患者さんに伝えます。

 現在、胃がんの原因は胃の粘膜に生息している細菌、ピロリ菌にあると分かっています。検査でピロリ菌保持が分かると、薬を飲んで除菌します(保険適用)。除菌で胃がんのリスクを減らせる上、胃・十二指腸潰瘍の原因としてもピロリ菌が挙げられるので、「潰瘍の痕がある」と指摘されているなら、なおさらピロリ菌の検査をお勧めします。

 胃の萎縮があると言われてピロリ菌の検査をする場合は、保険が適用されます。内視鏡検査、また内視鏡を使わない検査も。尿素呼気試験法といって風船のようなものを膨らませ呼気を集めて診断したり、便や血液でも検査が可能です。

 検査は内科や消化器科で受けられ、地域によっては区の検診で胃がんリスク(ABC)検診を実施しているので、確認してみてください。

「みぞおちが痛む」や「慢性的な胃もたれ」「しょっちゅう下痢をする」などの症状がある人は、機能性ディスペプシアの可能性も。胃の不調が慢性的に続いているのに、内視鏡検査などで胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃がんなどの異常が見つからない病気です。

 原因は胃の運動障害、知覚過敏、心理的要因、胃酸が大きなもの。機能性ディスペプシアと診断された場合は、胃酸の分泌を抑える薬、消化機能を改善する薬、そのほかに抗不安薬を使うこともあります。

(小島内科医院=内科・消化器科/小島利周院長)

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