ICTが認知症の改善に役立つかを調べた研究もあります。正常な高齢者49人と、初期の認知症患者34人を半数ずつに分け、片方の群には6週間にわたって週5日間、専門家がPCのビデオチャットで30~35分間の面談を行い、もう片方の群と比較しました。すると正常者も認知症患者も、ビデオチャット群の方が脳の認知活性が高まっていたのです。
ICTで孤独感が改善されるとは断言できませんが、家族や親しい友人との連絡に利用することで、生活の質や精神的な健康を保てるかもしれません。定年後が心配な人はフェイスブックやラインを始めてはいかがでしょうか。
孤独<9>現役世代の「孤独感尺度」平均は男女とも37~40点
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孤独<11>定年後対策としてのクラウドソーシング
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。