子供好みの食事が続くと…すい臓がんリスクを医師が解説

毎日のように揚げ物を食べるのは…(C)日刊ゲンダイ

「気になるのは飲酒や喫煙の経験がない女性患者が増えていることです。男性と違い外食の回数が少なく、子供と同じ食事になりやすい。気付かずに脂肪過剰の食事を取っている可能性があり、そのことがすい臓に関わる遺伝子に影響を与えているのかもしれません」

 例えばすい臓をつかさどる遺伝子に「トリプシン・インヒビター1」がある。消化酵素トリプシンを制限する働きがあり、これが弱いとトリプシンが暴走して自分の体内のタンパク質を分解してしまう。フランスの研究ではすい臓の弱い家系はこの遺伝子が欠損するか、弱っていたと報告されている。

“食事くらいで遺伝子の病気であるがんになるはずがない”と思う人もいるかもしれない。しかし、遺伝情報が書かれたDNAの変化を伴わずに、食事や運動習慣などの外部刺激で遺伝子を載せた染色体が変化。がん遺伝子やがん抑制遺伝子などをオン、オフすることがある。これをエピジェネティクスという。

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