さらに、アレルギー反応を起こしにくくするステロイドを前もって点滴して、それから改めて検査を受けてもらうケースもあります。画像診断を分かりやすくするために使う造影剤に対するアレルギーがある患者さんは少なくないので、たとえば心臓カテーテル治療を受ける場合などはそうしています。
■麻酔薬や滅菌ガスでも発作が起こる
また、手術の前に「プラズマフェレーシス」という血液を洗浄する治療を行うケースもあります。血液を遠心分離装置にかけるなどして血球成分と血漿成分に分離し、アレルギーを引き起こす物質を含む血漿を除去する治療法です。膠原病の治療でも行われていて、アレルギーを起こしにくくなります。
近年、なんらかのアレルギー性疾患を抱えている患者さんが増えていて、そういう患者さんは他のアレルギーも引き起こしやすい体質だといえます。花粉アレルギーは「IgE」という免疫グロブリンが多くなることで即時型アレルギー反応を引き起こします。このIgEは花粉症だけでなく、アトピー性皮膚炎、喘息、食物アレルギーなどにも関わっているので、どれかひとつでもアレルギーがある患者さんは他のアレルギーにも注意しなければなりません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」