年をとったら「太る」を目指す

嚥下障害や歩行障害の原因は薬の多剤併用にある

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 近年、問題になっているのが薬の多剤併用(ポリファーマシー)です。多くの種類の医薬品が処方されていることで、特に高齢者によく見られます。加齢によって複数の病気を合併することが多くなり、結果的に多剤併用になります。高齢の患者さんでは、10種類以上の薬を飲んでいるケースも珍しくありません。

 多剤併用は、胃薬など同じ作用の薬を知らずに何種類も服用していたり、薬に含まれる成分同士が相互に影響し合ったりして、思いもよらぬ有害作用に見舞われることがあります。服用している薬の種類・数が増えるほど、そのリスクが高くなります。

 多剤併用の害は少しずつ知られるようになってきましたが、一方で、いまだに認知されていないのが、多剤併用による機能や活動の障害です。

 ある患者さんは、リハビリを一生懸命やっていましたが、機能や活動が改善されず、むしろ徐々に歩けなくなりました。リハビリのスタッフが服用している薬を確認したところ、パーキンソン病の症状に似た副作用を起こす薬を3種類も使用していました。

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若林秀隆

リハ栄養、サルコペニア、摂食嚥下障害を特に専門とする。日本リハビリテーション医学会指導医・専門医。

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