末期がんからの生還者たち

大腸がん<2>「親に心配かけないよう説明の言葉を何度も」

岩井ますみさん(提供写真)

■手術後10カ月で新たな告知が…

 年の瀬、病院で「超音波(エコー)検査」「レントゲン検査」「呼吸機能検査」「血液検査」「胃の内視鏡検査」「大腸3D―CT検査」を受けた。クリスマスや正月もない、毎週の検査、検査である。

 年が明けて2009年1月、両親や姉夫婦、親戚など多くの家族に見守られ、約5時間に及ぶ手術で、大腸全体の3分の1を切除した。

 手術は無事成功した。しかし、「大腸に炎症が生じていました。そこでお腹に膿がたまっていて、まだくっついていない切開部を開けて、病室のベッドでお腹の膿を絞り出すのです。医師、看護師4人が私を押さえつけて、お腹の膿を出すという壮絶な処置が毎日行われました」。

 切開した部分はまだ完全にふさがれていなかったが、1カ月後に退院し、自宅に戻った。

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