迫り来る貧困…「高血圧の薬」は定年後どうするべきか?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 これは1999年以降に発表された複数のランダム化比較試験で証明されているという。

「糖尿病の薬は血糖値の下げ幅の大きさが必ずしも合併症の予防効果に直結しませんが、血圧の薬は血圧の下げ幅と脳卒中予防効果はほぼ一致します。その意味では利尿剤はもっと注目されていい。尿酸や血糖を上昇させたり、電解質異常を起こす懸念があるなどといわれていますが、降圧効果は他の薬と遜色なく、安いからです。最も値段が高いARBが最も多く処方されている現状は異常なことです」

 しかも利尿剤は尿細管でのナトリウム再吸収を抑制する。塩分を取り過ぎの日本人を“塩害”から守る役割もある。

 ジェネリックであれば利尿薬と同じく安価なCCBやACE阻害薬も値段の高いARBより評価されていい存在だ。

「ただ、ARBもさらに薬価が下がれば、せきが出るACE阻害薬より使いやすいかもしれません」

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