末期がんからの生還者たち

大腸がん<4>「共済保険と高額療養費制度に助けられました」

岩井ますみさん(提供写真)

 治療から晴れて解放された2カ月後の7月、体調はまだ十分に回復していなかったが、気分転換とばかりに姉と一緒にフランス旅行に出かけた。

 帰国してすぐ、年老いた両親のために自宅をバリアフリーに改築する。

 ところが、「できることなら娘のがん治療を代わってあげたい」と、声を何度もつまらせていた心優しい父親は翌年1月に倒れてしまう。介護に心血を注いだが、12月に他界した。

 父親のこうした介護経験が、岩井さんを本格的な介護の勉強に導き、昨年「認知症予防専門士」の資格を取得した。

 眠れぬほどの激痛に襲われた長い闘病生活で、心が折れたこともあった。でも立ち上がり、岩井さんは今、「いつまでも輝いている女性でありたい」と笑顔を見せる。

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