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【双子研究】一卵性双生児でも環境で20%の個人差が出る

ザ・たっちを分析したらどうなるか…(左は安藤寿康教授)/(提供写真)

 例えば、糖尿病の家族歴がある場合、一般的に次のような確率で糖尿病を発症するといわれる。

「両親ともに糖尿病では約50%」「片親が糖尿病では約30%」「きょうだいの1人が糖尿病では約15%」「一卵性双生児の片方が糖尿病では約80%」「二卵性双生児の片方が糖尿病では約20%」

■田舎より都会の方が遺伝の影響が出やすい

 このように、遺伝子的には同じはずの一卵性双生児であっても100%にならず、約20%に個人差がある。これがまさに環境の影響だ。

「女性がどれだけお酒を飲むかという米国の有名な研究があります。統計的に、女性が独身のときの飲酒の遺伝率は60%くらい。それが結婚すると30%くらいに減ります。同様に喫煙や不倫などの遺伝率も環境の自由度によって変化します。これは都会と地方を比較した研究でも同じで、自由度の高い都会の方が遺伝が強く出ることが分かっています」

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