医者も知らない医学の新常識

辛いものを食べてから起きる激しい頭痛には要注意!

唐辛子(C)日刊ゲンダイ

 激辛の料理を食べることは健康にどのような影響を与えるのでしょうか? 発汗や代謝を刺激するような効果は悪いとはいえませんが、最近注意すべき事例が、イギリスの専門の医学誌に症例報告として発表されました。

「キャロライナ・リーパー」というのは、ギネスにも認定された世界一辛い唐辛子です。この唐辛子を激辛大会のような催しで食べた34歳の男性が、その直後から頭痛を訴え、その後、「雷に打たれたよう」と表現されるような電撃的な頭痛の発作に悩まされました。病院で精密検査が行われ、付いた診断は「可逆性脳血管攣縮(れんしゅく)症候群」でした。

 これは、神経への刺激や薬の副作用などで、脳を栄養している血管が急激に縮んで、耐えがたいような頭痛が起こるという病気です。その原因が取り除かれれば、しばらくすると症状は改善します。したがって、それ自体は大きな危険はないのですが、元の血管にもろい部分があったりすると、脳内出血や脳梗塞の引き金になることも、過去には報告されているのです。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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