独白 愉快な“病人”たち

子宮体がん手術翌年に世界一 矢澤亜希子さん語る壮絶治療

プロフェッショナル・バックギャモン・プレーヤーの矢澤亜希子さん(C)日刊ゲンダイ

 2012年の年末、「子宮体がんステージⅢc。手術をしなければ余命1年」と宣告されました。手術で子宮、卵巣、卵管、リンパ節をすべて切除しなければならないと言われたのです。結婚して4年目。結婚したら子供がいる人生が当たり前だと思っていた自分にとって、人生プランが根底から崩れた瞬間でした。

 そもそも08年ごろから、ずっと体調が悪かったんです。月経血が次第に増え、生理じゃない日の方が少なくなっていました。常に貧血状態で立ちくらみは日常茶飯事。人混みや電車の中は息苦しさを感じました。「おかしい」と思って総合病院の婦人科を受診したのですが、子宮頚がん検査で異常はなく、「念のため」とこちらからお願いした子宮体がんの検査でも、そのときは異常が発見されませんでした。

 検査は、子宮内を満遍なく引っかくように組織をこそげ取って行われます。後から思うと、私のがんは子宮の奥にあったそうなので、こそげ取れていなかったのだと思います。結局、生理痛の薬と「規則正しい生活を」と言われただけで終了。「ならばこのひどい体調不良の原因は何?」と疑問は湧きましたが、もう諦めるしかありませんでした。

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