独白 愉快な“病人”たち

子宮体がん手術翌年に世界一 矢澤亜希子さん語る壮絶治療

プロフェッショナル・バックギャモン・プレーヤーの矢澤亜希子さん(C)日刊ゲンダイ

■手術の翌年に世界チャンピオンに

 子宮からリンパ節まで取ったので、お腹には縦に30センチほどの傷痕があります。手術した日の夜は激痛で麻酔から目覚めました。痛み止めを追加してもらいたかったのですが、痛過ぎてナースコールも押せなかったのです。そんな痛みにも1週間ほどで慣れてきて、術後2週間後からは抗がん剤治療が始まりました。それがまた激痛で……。投与は月1回ですが、そのたびに10日間ぐらいは体中に画びょうが刺さっているような痛みと、時々ナイフで刺されるような激痛があるんです。激痛が引いてもしびれが常にあり、まともには歩けません。

 投与と激痛としびれ、それが全部で6回繰り返されました。1回目は激痛がいつまで続くか、先の見えない恐怖で「もう死にたい」と思いました。でも、3回目にはパターンが読めるようになったのでだいぶ楽になりまして、6回目には世界選手権出場に海外へ行きました(笑い)。病院から許可は出なかったのですが、「来年はいないかもしれない」と思ったので……。やはり、やりたいことはやらないとダメ。後悔するのは嫌なんです。

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