生活と健康 数字は語る

糖尿病の夫を見送った妻の多くが後悔すること

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そうこうしている間に食事ができなくなってくると、もうそんなことを気にしていられない。何か食べたいものを食べさせたいなどと思うわけですが、時すでに遅し。食べられないまま、アッという間に亡くなって、最後の食事も糖尿病食という不幸なことは珍しくありません。

「いつ死ぬか分かったもんじゃない」からといって若いころから暴飲暴食というのも問題ですが、「いつまでも生きるつもりで、どこまでも食事に気を付けて」というのも、極端という意味ではとても似ているところがあります。

 数字に縛られることなく、日頃から適当な対応が案外いいのかもしれません。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

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