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もしかして「五月病」かも? 疑ってみるべき症状と対策法

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

【Q】新しい部署に異動して約1カ月、気分が落ち込み、夜もぐっすり眠れません。もしかして五月病? このまま「うつ病」になってしまうのではないかと心配です。 (40代・男性)

【A】新入社員がGW明けに訴える心身の不調を俗に「五月病」と言いますが、「発症」するのは新入社員とは限りません。異動や転勤、転職などで環境が変われば、ベテラン社員にも起こります。昇進して責任ある立場に就いた人、職場は同じでも上司が代わった人などにもよく見られます。

 いわゆる五月病は、症状も程度も人によって幅があり、一概に病気とは言えません。医学用語で言えば、「適応障害」の範囲と考えられます。

 環境が変化したばかりの時は、右も左も分からず毎日必死。しかし1カ月ほど経って慣れてくると、ふと「このままでいいんだろうか?」などと不安になります。その不安がストレスとなり、心身のさまざまな不調を引き起こすのです。GW中にいろいろと考えてしまい、連休明けに会社に行くのが嫌になったりする人もいます。

 何となく気分が落ち込む、やる気が出ないといった「うつ状態」に加え、頭痛や動悸、不眠などの身体症状もあります。多くは環境に適応するにつれて解消していきますが、まれに長期化してうつ病に発展する場合もあります。

 1カ月以上不調が続くようなら、専門の医療機関を受診しましょう。1カ月経っていなくても「仕事が手につかない」「会社に行けない」など、実生活に支障が出る場合は、早めに専門医の診断を仰ぐべきです。

 また、そこまで長期化・重症化する前に、ぜひ家族や友人、先輩などに相談してみてください。適応障害になる人は、悩みを人に打ち明けず、一人で抱え込む傾向にあります。話すだけでも、症状が軽減するかもしれません。

(三木内科クリニック・三木治院長)

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