クスリと正しく付き合う

抗がん剤で「味覚」が変わったら要注意 すぐ医師に相談を

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 味覚障害や味覚異常によって食欲がなくなって食べられなくなり、体力がなくなったり栄養状態が悪くなったりして全身状態が悪化してしまうケースがよくあるのです。 そもそも人間は「がんそのもの」で死ぬことはありません。多くの場合、がんによる臓器不全か、栄養状態の悪化で亡くなります。つまり、がんに打ち勝つためには、栄養状態を良好に保つことが重要なのです。

 そのためには、まず食べなくてはなりません。そして、食べるためには味覚を保つことが大切です。薬を始めてから味が分かりづらくなった、普段と違うように感じるという場合は、すぐに医師か薬剤師に相談してください。

 味覚異常の原因となる「低亜鉛」を予防するためには、貝類、小麦、大豆の胚芽を積極的に摂取するのもおすすめです。

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神崎浩孝

神崎浩孝

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

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