衣笠祥雄さんは71歳で…大腸がんになりやすい人と予防法

衣笠祥雄さん
衣笠祥雄さん(C)日刊ゲンダイ

「鉄人」の異名を持つ衣笠祥雄さんが上行結腸がんで亡くなった。71歳という年齢は「人生100年時代」にあって“早過ぎる死”といえる。

 衣笠さんは数年前から闘病していたという。最後に野球解説で出演したのは今月19日放送の「DeNA―巨人戦」(BS―TBS)で、ときに振り絞るような、ときにかすれるような声で苦しそうにしゃべっていた。最近はさらに頭髪が薄くなり、激やせしたため、ネットで「重病ではないか」と話題になっていた。

 上行結腸がんは大腸がんの一種。人が食べたものは胃から盲腸を経て上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸へと移動していく。

 上行結腸は食べて間もない段階なので便が液状、しかも排便まで時間がかかるため出血しても発見されにくい。怖い病気なのだ。ちなみに大腸がんは日本人(男女総計)のがんの死因としては肺がんに次いで2位になっている。

「症状は下痢や便秘。血便が出たり、便が細くなったら、がんがかなり進んでいる証拠です」と言うのは医学博士の米山公啓氏。

「ほかに腹痛やお腹の張り、貧血、急激な体重減少などの症状があります。ただし、大腸がんは早期に発見しないと手遅れになるので、これらの症状が出る前に見つけなければなりません。血液検査よりも検便で便潜血を調べるほうが確実。一度でも陽性が出たら、大腸内視鏡の検査を受けてください。放っておくと、肝臓や肺に転移してしまいます」

 大腸がんにかかる割合は40代から増加し、50代でリスクが高まる。がん全般については高身長の人やたばこを吸う人に患者が多いそうだ。

■定期的に検便を

 衣笠さんは肉料理と酒が好きなことで知られていたが、これも因果関係がある。

「大腸がんの患者は牛肉などの赤肉やハムみたいな加工品が好きな人に多いのです。お酒は1日に1~2合飲むとがんのリスクが2、3倍にはね上がるというデータもあるので注意が必要。肥満の人も大腸がんになりやすいから、適度な運動で予防することが大切です。このほかコーヒーを飲んだり、野菜をよく食べる人が大腸がんになりにくいことが分かっています」(米山公啓氏)

 40歳を過ぎたら、定期的に検便を受けたほうがいい。

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