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米国に570万人 アルツハイマー病の遺伝子療法に大きな一歩

(C)PIXTA

 約570万人のアルツハイマー病患者がいるといわれるアメリカで、その有効な治療法開発への第一歩となる画期的な実験が成功し、大きな話題になっています。

 アルツハイマー病発症には、ある特定の遺伝子が関わっていることはすでに知られていますが、その危険因子を「書き換える」ことに成功したのが、サンフランシスコのグラッドストーン・インスティテュートです。「ネイチャー・メディシン」に論文が発表されました。

 アポリポタンパクEと呼ばれる遺伝子は、通常、同じ名前のタンパク質を形成する情報を持っています。しかし、アポリポタンパクE遺伝子多形のひとつ、「E4」と呼ばれる遺伝子のみが、脳細胞にとって有害なアミロイド・ベータと呼ばれる繊維状のタンパク質の蓄積をもたらすことも分かっています。

 グラッドストーンの研究者たちはこのE4遺伝子に注目。「マウス実験では有効だったのに、人間には効かなかった薬の理由もこのE4にある」との仮説を立て、初めて人間の脳神経細胞を使った実験を試みました。

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シェリー めぐみ

横浜育ち。早稲田大学政経学部卒業後、1991年からニューヨーク在住。

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