皮膚や目を破壊しがん作る…日焼けダメージの怖さと中毒性

バカンス中も紫外線対策はしっかり(C)日刊ゲンダイ

「紫外線角膜炎になると網膜の充血、異物感、流涙などの症状が表れ、ひどいと眼痛を生じます。翼状片は黒目に白目が翼状に侵入する繊維性の増殖組織。戸外での活動時間が長い人に多く見られ、外科手術が必要となる病気です」

 白内障は目の中でレンズ役を担う水晶体が濁って網膜まで光が届かなくなる病気。初期には水晶体が硬くなるため老眼が進行し、濁りが強くなると視力が低下して、進行すると失明する。

 紫外線にこれほど毒性がありながら、日焼けサロンに通うなど、人はなぜ過剰なまでに紫外線を浴びたがるのか?

 紫外線の中毒性に注目した研究報告も行われている。2014年6月に発行されたアメリカの有名科学雑誌「セル」に掲載された研究論文がある。

 実験用マウスを2群に分け、一方にのみ背中の毛をそり、白人がフロリダの真昼の太陽に20~30分当たるのと同程度の紫外線を6週間照射する実験が行われた。結果、1週間でβエンドルフィンの血中濃度が高まり、その群のマウスは実験中、人に触れられたり気温が上がったりしても動じなかった。ところが途中でβエンドルフィンの経路を遮断するナロキソンを投与すると、体が震え、歯がガチガチ鳴るといった麻薬の禁断症状と同じ症状が表れた。

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