Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

石弘光さんはステージ4 すい臓がんは尾道方式で早期発見

石弘光さん(C)日刊ゲンダイ

 飛躍的な成果を挙げている大きな要因が早期発見。5年生存率が約80%とされる1センチ以下のステージ1や超早期のステージ0で発見されるケースが珍しくないのです。国立がん研究センターの調査では、すい臓がんは4割がステージ4で見つかりますから、この成果は画期的。大阪市北区や熊本市などにも、尾道方式が広がっています。

 では、尾道方式が導入されていないところに住んでいる人は、どうするかが問題でしょう。先ほど紹介したすい臓がんのリスクの中で、一番よくないのが糖尿病です。糖尿病の人は、そうでない人に比べて2倍すい臓がんになりやすいとされますから、糖尿病の人は1年に1回、すい臓の超音波検査を受けることをお勧めします。自分で尾道方式を取り入れるということです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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