専門家が指南 GW明けに体調不良を招かない睡眠のコツとは

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 連休中、たまった疲れを取るために寝たいだけ寝てゴロゴロ過ごす人もいるだろう。しかし、これでは睡眠リズムが崩れて、休み明けは体調不良に悩まされる。なるべくリズムを崩さない眠り方を心がけたい。「ベスリクリニック」(東京・千代田区)で睡眠外来を担当している作業療法士の菅原洋平氏に聞いた。

 連休で大幅に睡眠リズムを崩さないようにするには、「深部体温」のリズムを意識することが重要だ。深部体温とは内臓の温度のことで、睡眠に大きく関わっている。深部体温が高くなると、人は活発になり、低くなると眠くなる。このリズムが崩れると、夜になかなか寝付けなくなってしまう。

 深部体温は、起床から11時間後に最高になり、22時間後に最低になるリズムをもっている。たとえば、朝6時に起きている人は夕方5時に最も高くなり、明け方4時に最も低くなる。

「連休中に“寝だめ”をするとしても、普段の起床時間から3時間以内に起きることが大切です。起床が1時間遅くなると、リズムを戻すためには1日かかります。3時間遅くなると、連休明けの月曜日から水曜日までは睡眠不足による不調が続く。リズムが戻る週末になると、今度は体の疲労がたまっているため、ずっと不調が続くことになるのです」

■日中の仮眠で注意することは?

 また、寝坊するとしても、普段の起床時間と同じタイミングでいったんカーテンを開けたり、電気をつけるなどして部屋を明るくしてから“二度寝”すれば、睡眠リズムが大きく崩れることはないという。

「人間は脳が光を感知した時点から約16時間後に自然に眠くなる仕組みになっています。休日に部屋を暗くしたまま眠り続けたり仮眠をとると、リズムのスタートが遅くなってしまうのです。明るい部屋では、目を閉じていても脳には光が届いているので、リズムは崩れにくくなります」

 日中に仮眠をとる場合も注意が必要だ。深部体温が最高になる時間帯に眠って体温を下げてしまうと、リズムが後ろにずれてしまうのだ。

「朝6時に起床している人は、夕方5時に深部体温のピークを迎えます。午後3時以降はそれに向けてどんどん深部体温が上がるタイミングなので、仮眠をとるのは午後3時をリミットにしてください」

 それでも、睡眠のリズムが崩れてしまった場合は、深部体温が最高になる夕方に歩いたり階段を上るなど、体を動かして深部体温を上げるサポートをする。早めに睡眠リズムを取り戻したい。

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