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【高齢者てんかん】発作撮影と脳波測定で治療方針を細かく

久保田有一センター長(提供写真)

■「まだらボケ」と似ている

 一般のてんかんの有病率(全人口)は「100人に1人」とされるが、高齢者てんかんの65歳以上の有病率は「100人に1・5~10人」(米国データ)という。症状が認知症初期の「まだらボケ」に似ているため、認知症と診断されてしまうことが多いのだ。

「怖いのは自動車などの運転中の発作です。高齢者の自動車事故の原因になっているケースがかなりあるとみています。それに調理中に発作が起こればヤケドや火事を引き起こし、入浴中に起これば突然死(溺死)を招きかねません」

 てんかんの原因が脳卒中などの病気で起きていればMRIやCTなどで分かるが、原因不明とされる高齢者てんかんは老化現象の一種なので、画像検査では異常は見つからない。それも見逃されやすい理由のひとつでもある。

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