典型症状は性欲減退 医師が推奨“男性更年期障害”の予防策

更年期の妻・松本伊代をいたわるヒロミ(C)日刊ゲンダイ

「2年ほど前、気持ちが沈み、体が重だるく、仕事にも集中できなくなりました」

 こう語るのは吉田祐樹さん(50=仮名)。同年代の妻に悩みを聞いてもらいたかったが、「それどころじゃない」。妻もさまざまな不調を抱え、常にイライラしていた。朝、なかなか起きられない祐樹さんに、声を荒らげることもあった。

 そんな時、妻が病院を受診。更年期障害という診断を受けた。医師からは「男性の更年期障害もある」。

 それを聞いた祐樹さんはネットで調べた男性更年期外来で検査を受けた。すると、血液中のテストステロン量が同年代の平均値より低く、「LOH症候群」と診断された。祐樹さんはテストステロンの補充療法を、妻も受診先の婦人科でホルモン補充療法を受け、夫婦ともに症状が改善していった。

「40歳過ぎで何らかの不調があるなら、男女問わず、更年期障害かもしれない。一度、医療機関を受診してはいかがでしょうか」(井手准教授)

 また、男性のテストステロンは、日常生活の工夫で減少を防ぐことができるといわれる。具体的には「週1回、30分の有酸素運動」「筋肉量アップ」「徹夜を避ける」「飲酒量を控える」「亜鉛、ニンニクなどに含まれるアリシン摂取」だ。

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