ニューヨークでは、長かった冬が終わったかと思えばすぐに夏のような天気となり、昨日までは暖房、今日からは冷房という極端な気候となっています。
そんな中、アメリカCDC疾病対策センターは「この夏はダニと蚊が媒介する病気に注意」するよう呼びかけています。ダニや蚊が媒介する病気の発生が激増しているからです。
報告されているだけでも、2004年の2万7000件から16年には9万6000件と3倍以上も増加。04年以降、新たな病気も7種類、発見されています。
そのひとつが09年に発見された「ハートランド・ウイルス」と呼ばれるもの。アメリカ南部から中西部に生息するダニが媒介し、症状はやはりダニによって感染するエールリヒア症に似て、白血球に感染してそれを破壊、場合によっては重篤な症状を引き起こします。
また、ダニが媒介する従来の病気であるライム病などの感染症も増加傾向にあり、報告されないものも含めると年間30万人が罹患しているとまでいわれています。
こうした病気を予防する方法として、CDCが呼びかけているのは「スポーツやピクニックなど屋外で活動する時は、常に虫よけスプレーを携行し、まめにスプレーする」ことだけです。
ダニや蚊が媒介する感染症が増加している原因として、多くの専門家は気候変動による地球温暖化を指摘しています。これまでは寒冷でダニが育たなかった地域でも生息できるようになったためだといいます。同じように広い地域で蚊の発生が増加していると考えられています。さらに、ジカ熱やデング熱が広がっているのと同じように、熱帯地域への旅行の増加も原因とされています。
今後も温暖化が続いて地球上の人の移動が増え続ければ、こうした病気がますます広がることが懸念されています。
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