独白 愉快な“病人”たち

2度も生かされて…空間デザイナー黒田朋子さん闘病を独白

黒田朋子さん(C)日刊ゲンダイ

 ただ、幸いにも同じドナーさんからリンパ球を提供してもらうことができたので、ドナーリンパ球輸注療法を受けることができました。

 現在は、経過観察として月1回の血液検査を受け、卵子は凍結したままです。生活そのものに気をつけるというよりも、日常生活を当たり前に自力で送ることができるようにしようと考え、体に良いものを食べるようにしています。

 病気になってよかったなんて1ミリも思いません。ただ、2度も生かされたことで、「苦しみのある人を助けなさい」という役割を与えられた気がして、不妊・産む・産まないに向き合う女性たちをサポートするための会社を立ち上げました。

 体験を経たからこそ伝えられるものを大切に、誰かの人生を少し咲かせるお手伝いをしたいと思っています。

▽くろだ・ともこ 1978年、名古屋市生まれ。京都市立芸術大学大学院卒業後、インテリアデザイナーとして活躍。2009年に独立。結婚後、11年に急性骨髄性白血病を発症。抗がん剤の副作用による「妊娠・出産の壁」を機に株式会社ライフサカスを創業する。不妊・産む・産まないに向き合うすべての女性たちへ向けたウェブメディア「UMU」の運営及び不妊治療サポートアプリ「GoPRE」の開発をしている。

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