衣笠祥雄さんも亡くなる直前は…「かすれ声」に潜む重大病

衣笠祥雄さんは大腸がんで亡くなった(C)日刊ゲンダイ

 加齢も嗄声の大きな原因だ。声は呼気が声帯を振動させることで発生する。それには十分な肺活量と、正常な声帯、口腔や咽頭や鼻腔による共鳴が必要だ。ところが年を取るとそれが難しくなる。

「特に目立つのは声帯の衰えです。声帯の表面は粘膜上皮に覆われて1秒間に男性で100回、女性で200回程度振動します。しかし、年を取ると粘膜が硬くなり、振動が弱くなる。声帯粘膜の上皮に多数存在する線維芽細胞の機能により声帯は弾力性を維持していますが、年を取るとコラーゲンが蓄積されるなどして声帯粘膜が硬く、振動しづらくなるからです」

 中には加齢とともに声帯が痩せて声を出すときに閉じるはずの声帯が始終開きっ放しになってヒューヒューとした気の抜けた声になる人もいる。

■大動脈瘤、食道がん、咽喉頭逆流症が隠れているかも

 しかし、本当に気をつけなければならないのは病気による嗄声だ。

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