衣笠祥雄さんも亡くなる直前は…「かすれ声」に潜む重大病

衣笠祥雄さんは大腸がんで亡くなった(C)日刊ゲンダイ

 むろん、がんは転移するのでその他のがんであっても嗄声となる場合がある。たとえば大腸がんの転移先は肝臓、腹膜、肺、骨、脳などが多く、甲状腺への転移は少ないとされている。しかし、最近は頭頚部画像診断の進歩により、大腸から甲状腺へのがん転移の報告例は増加している。

「のどが渇き過ぎて声がしわがれることもあります。そのため、口が乾く副作用のある薬は注意が必要です。副交感神経が活発になるのを抑えて胃や腸の活動に伴う痛みや炎症を防ぐ抗コリン剤は、その代表です。催眠・鎮痛剤、抗不安薬や抗精神病薬の一部も口渇の副作用があります」

 最近目立つのは、咽喉頭逆流症によるしわがれ声だ。

「この病気は強い酸性の胃液や胃で消化している途中の食べ物が逆流し、咽頭部まで達して炎症を起こすもので、嗄声になる人もいます。この病気は意外と本人が気づいていないことがありますが、将来、咽頭がんなどになる恐れもある。お腹が出ている人、加齢で食道機能が低下している人、ぜんそくや血圧、心臓の薬で下部食道括約筋を緩める作用のあるものを飲んでいて嗄声の人は、疑った方がいいでしょう」

 嗄声が2週間以上続く人は耳鼻科や呼吸器科の医師に相談することだ。

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