■睡眠薬に依存している人は高血圧体質が多い
ただ、睡眠薬というのはいったん使い始めると徐々に効かなくなることもあり、一度効果が薄れるとどんどん効き目が強いものに進んでしまいます。8割方はそうした推移をたどり、依存性も表れます。繰り返し睡眠薬を使っていると、効果が切れてきたときに脳が薬を欲するようになるのです。かといって、急に薬をやめると今度は離脱症状が表れます。そうした厄介な依存性により、中には複数の医療機関からいくつも睡眠薬を処方され、フラフラになってしまっている高齢者も少なくありません。
2014年の米国心臓学会では、ある種の睡眠薬に依存している患者さんは、心臓発作のリスクが50%アップするという研究が報告されています。なぜそうなのかの仕組みはまだわかっていませんが、急性心筋梗塞だけでなく、大動脈解離のリスクも増加したといいます。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」