がんと闘う人々

肝臓がん<2>亡くなった両親がラジオ波焼灼治療法に導いた

石川廣司さん(提供写真)

 手術以外の治療選択はないかと、ネット検索などで情報を集めた。しかも石川さんは、医療関係の会社に勤務していた経験から、最新の医学情報にも明るかった。目に留まったのが「ラジオ波焼灼治療法」である。同療法は、がん腫瘍に針を刺し、通電(約100度)させてがんを死滅させる療法である。

 この関連情報の収集中に、同療法で知られる医師が自宅から近い「順天堂大学練馬病院」に在籍していることを知った。

「まさに一大決心で、順天堂に治療予約のアポイントを入れました」

 同病院の前には、偶然にも石川さんの菩提寺があった。何か両親が導いてくれたような気もしたという。

 しかも、通常なら同治療を受けるのに1カ月の待ち時間が必要だというのに、「3日後に来てください」という返事である。すぐに転院した。

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