前兆はその1年前からあって、ひどい吐き気が突然、込み上げてくることが増えていました。それでもトップスターを目指して必死な時だったので、休めなかったのです。発作で倒れた後、定例の組替えがあって、いったんポジションが下がると症状も落ち着いたのですが、再びポジションが上がると、また倒れる事態に見舞われました。
■29歳で退団、今度は「過食症」に
徳島にいる知り合いの精神科医に事情を話すと「症状が出たら飲んで」と言われ、2種類の精神安定剤を処方されました。一方は軽めで、もう一方は重めの眠たくなる薬。後者はほとんど飲みませんでしたが、前者は時々飲んでいました。
その頃にはもう「拒食」の症状が出ていて体重が激減。「食べると吐き気がくる→吐き気の恐怖で過呼吸になる→また倒れる」と考えてしまい、とにかく食べるのが嫌だった。そうやって、肉体的にも精神的にも追い詰められました。
独白 愉快な“病人”たち