気鋭の医師 注目の医療

【骨盤臓器脱手術】SEXトラブルや合併症なく若い女性にお勧め

永尾光一教授(提供写真)

「永尾法」では、患者の脇腹の真皮を7×10センチほど切り取り、それを骨盤内の靱帯に縫い付けて臓器の位置を修復する。所要時間はLSC手術の約半分で、真皮移植を含めて2時間ほど。入院は6泊7日で、保険適用で受けられる。

「16年8月から始め、これまで50~70代の患者さん5例に行っています。経過を見ても再発や痛みなどの合併症はゼロ。性行為にも問題はないので、若い患者さんほどメリットが高い術式だと思っています」

 保存的療法も多くの施設は保険適用の「ペッサリー療法」を行うが、当院では「フェミクッション」というサポート下着(自費で2万円前後)を積極的に勧めている。

 それは、ペッサリーは出し入れが面倒で、炎症を起こしたり、挿入すると性行為ができないからだ。

 POPは、なかなか口にしにくい病気。患者のQOLを最優先に考えた医療を提供している。

▽1984年昭和大学医学部卒後、同大学院修了。川崎病院形成外科部長、博慈会記念総合病院泌尿器科部長などを経て、2007年東邦大学医学部准教授。09年から現職。〈所属学会〉日本形成外科学会、日本泌尿器科学会、日本性機能学会、日本生殖医学会。

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