緩和医療の前に期待 がん眠らせ長期共存「休眠療法」とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 がんで標準治療の適用がなくなると、「もう治療はない」と言われる。しかし末期がんでも、この段階では体は元気だ。その状態で何もせず、死を待てるか?

 実は、記者の30代の親族がまさにこの状態だ。比較的高い確率で治癒が望めるがん種だが、残念ながら親族はそうではなかった。「標準治療はもう効かない。緩和医療を」と主治医に言われた。がん患者の相談に無償で乗っているがん難民コーディネーターの藤野邦夫氏に相談したところ、一つの手として提案されたのが、がん休眠療法だ。

 これを確立した国際医療福祉大学市川病院化学療法部部長・高橋豊医師が説明する。

「がん休眠療法は、がんの増殖を止めて発育速度を遅くし、がんの進行を遅らせる治療法。“がんを眠らせて、少しでも長くがんと共存する”という意味から、がん休眠療法と名付けました」

■“縮小”ではなく“共存”

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