【Ｑ】季節を問わず、少しでも緊張するとワキ、額、手のひら、足の裏などに大量に汗をかきます。何とか止めたいのですが……。 （４０代・男性）
【Ａ】質問内容から考えられるのは精神性発汗。
家でリラックスしている時や一人の時には汗をかかず、人と接したり話したりする時に大量の汗をかくのが特徴です。
このタイプの人は、真面目で周囲に気遣いのできる優しい人が多い。精神性発汗は僕に言わせれば、いい汗。真面目な証拠です。そういう意味では自信を持って生きて欲しいと思っています。
精神性発汗は、過去に「大量に汗をかいて恥ずかしかった」といった潜在意識がある人によく見られます。人前に出ると「また汗をかくんじゃないか」と予期不安を持ってしまう。予期不安から汗をかき、「やっぱり汗をかいてる」と感じ、また汗が出る。結果、汗が止まらない悪循環に陥ってしまうのです。
汗をかかないようにする方法は、夜に眠れない場合の対処法と同じ。眠れない時に「眠らなくっちゃ」と考えるとますます眠れなくなります。ところが、開き直って「もう眠れなくってもいいや」と思うと、いつの間にか眠りに落ちている。
汗をかき始めたら「汗ぐらいかいてもいいんだ」と開き直る。“開き直り療法”です。「僕は真面目な人間だから汗が出る。汗は悪いことじゃない。いくらかいてもいい」と考えてください。
さらに、体を強く圧迫すると、その周辺は一時的に発汗しなくなります。たとえば額の汗を止めたい時、女性ならブラジャーをきつく締める。
ワキ汗にはペットボトルがいいでしょう。ペットボトルをワキに挟んでぎゅっと力を入れ、ワキを圧迫。冷たいペットボトルの方が効果的です。圧迫で一時的に汗をかかなくなるので安心でき、安心することで予期不安もなくなります。
市販のデオドラント製品も活用してください。使用する部分の汗をよく拭き、ロールオンなどのじか塗りタイプを先に塗る。その上からスプレータイプを使用するダブル使いが効果的です。
また、ワキ汗に抜群の効果があるのはボトックス注射。一度注射を打つと、ワキ汗がかなり減り、半年から１年間はその状態を保てます。うちの病院ではほとんどの人が「もっと早くやればよかった」と話します。
（五味クリニック・五味常明院長）
サラリーマン the バイブル
ワキ汗対策にデオドラント製品は役立つの？ 専門医に聞く
