NHK朝ドラで注目「ムンプス難聴」 医師が説く唯一の回避策

「人工的なのはNG」とワクチンを受けさせない親もいる(C)共同通信社

 おたふくかぜの原因が、ムンプスウイルスだ。ムンプスウイルスに感染すると両側の耳下腺が腫れるが、500~1000人に1人の割合でウイルスが内耳に侵入して細胞を障害。高度の難聴に至る。

「おたふくかぜワクチンの接種が唯一の回避策です。しかし接種率が低いのは、医師の間ですらワクチンへの誤った認識があるからです」

■「今からでも受けるべき」

 まずは、副反応への誤解だ。おたふくかぜワクチンには、無菌性髄膜炎、脳炎、精巣炎などの副反応がある。ところが、国立感染症研究所によれば、血小板減少性紫斑病を除き、いずれも「自然感染(ワクチンを接種せずに感染)」の方が発生率が高い。血小板減少性紫斑病についても「自然感染が頻度不明、ワクチン接種が100万人に1人」という少なさだ。

 次に、「自然感染の方が免疫がしっかりつく」。確かに免疫はつくが、難聴のリスクを考えると、ワクチンを拒否する理由としては弱すぎる。

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