■患者は一人一人、体も心も違う
もっとも、入院するすべての患者が統一したクリニカルパスに組み入れられるわけではありません。がんの治療が目的でも、持病に糖尿病や腎臓病などがあったり、そのための治療などが必要な場合は、他の患者と同じようなクリニカルパスには組み込みません。つまり、「統一・標準化」に合わない場合は、クリニカルパスは適応し難いのです。
クリニカルパスはとても便利で、特に異論はありません。ただ、医療者、特に看護師は皆さんが肝に銘じていることで、あえて申し上げることではないとは思いますが、決められた、統一されたチェック項目、それだけに気が行ってしまうことがないようにお願いしたいのです。
患者は、一人一人、体も心も違います。クリニカルパスの項目に入っていない、載っていない患者の体調や気分の変化などにも気を配ってほしいのです。クリニカルパスの項目ばかりではなく、患者自身を診てほしいのです。
がんと向き合い生きていく