専門家に学ぶ 喘息コントロール術

喘息の薬を飲み続けられない患者には“アメとムチ”の指導で

写真はイメージ(提供写真)

「喘息の薬を飲み続けてほしいですが、できなければ仕方がありません。しかし、喘息は季節と関連した病気なので、個人差はありますが台風シーズンや冬に圧倒的に悪くなる。だから、悪くなる季節の前には病院で受診してください。そして数カ月間は薬の服用を忘れないようにしてください」

 人間は「ずっと飲み続けなければならない」と言われると挫折してしまいがちですが、「数カ月だけでいい」と言われるとなんとか頑張れる場合があります。

 喘息は、高血圧や糖尿病などのように、目に見える目標を設定しづらい。いわゆる“アメとムチ”のようなアプローチで、最悪の状態には陥らないように指導していきます。

 ただし、喘息発作を繰り返している人には、アメとムチは通用しません。呼気のNO検査などで評価をし、薬を一時期ですらやめられない状況だと判断すれば、継続して飲むよう説得します。その際、患者さんにはNO検査の結果数値を見てもらいます。「この数値では、薬を飲まざるを得ない」と理解を得た上で、目標数値を設定することが必要です。

(NTT東日本関東病院呼吸器センター・放生雅章センター長)

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