出過ぎたり泡立ったり…尿の変化は腎臓を知る手がかりに

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近では腎臓が寿命や老化に関係していることも報告されている。

「血液中のリン濃度が少ない動物ほど寿命が長いことがわかっています。主成分がリン酸カルシウムである骨は、腎臓と絶えず会話を交わし、血液中のリン濃度が高くなると『リンは足りています』というメッセージ物質(FGF23=線維芽細胞成長因子23)を出します。腎臓にはその受容体があり、この情報を受けて血液中のリン濃度を調整しているのです。腎臓の機能が失われると、血液中のリン濃度が過剰になり、血管内皮にリン酸カルシウムが沈着して血管が石灰化。血管が硬くなり、血管が狭窄したり、血栓ができたりして、脳梗塞や心筋梗塞を起こすのです」

■体内環境を整える司令塔

 腎臓は、心臓、肝臓、肺、脳、腸、骨などあらゆる臓器と深く関わっているため、どこかが悪ければ腎臓に悪影響が出る。例えば、心臓のポンプ機能が衰えれば、血流が減り、常に大量の血液を必要とする腎臓はダメージを受けてしまう。逆に薬を飲んでいれば、それを代謝する腎臓の大きな負担になるだけでなく、他の臓器にも影響がゼロというわけではない。

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