がんとは何か

<5>年寄りにがんが多いのはなぜか?(2)

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、肥満によって増加した腸内細菌の代謝産物であるデオキシコール酸が腸肝循環によって肝臓に達し、肝星細胞が細胞老化・SASPを起こして肝がんを促進させるがん微小環境がつくられることがわかってきたという。

 これは診療現場においても、高度脂肪肝では胆汁鬱滞の指標であるALPやγ―GTPが高値になりやすく、このような脂肪肝は肝硬変から肝臓がんになりやすいことが既に分かっている。最近肥満や脂肪肝からの肝臓がんが増えている機序がこれで説明できるだろうと考えられるという。

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