保湿剤を含む基礎化粧品を日頃から活用している女性はもちろん、男性も冬は乾燥肌対策のために保湿剤を用いている人はいるだろう。ところが、夏は保湿剤を使わなくなる人が大半だ。
「汗の皮膚トラブルに悩んでいる人の多くに、ドライスキンによる皮膚バリアー機能障害が生じている可能性が考えられます。夏でも保湿剤の使用が必要です」
汗で皮膚がかゆくなると、すべて「あせも」と考えてしまいがちだが、実は違うケースがある。武藤院長は臨床経験上、「あせもより“汗かぶれ”がたくさんいるように感じる」と話す。
あせもは、急激な発汗時に、よごれ、皮脂、角層の配列の乱れが誘因となり、汗腺の表皮内導管が閉塞拡張し、表皮内に汗が染み出して炎症を起こす。症状は、汗腺の位置にできる赤いブツブツやかゆみだ。
一方、汗かぶれは、ふやけ、こすれ、乾燥などで角層のバリアーが弱くなった肌に、自分の汗腺から出た汗が再び染み込むことで起こる。ブツブツではなく、かゆみや赤みが面で広く起こる。