氾濫する「歯磨き情報」にまつわる5つの誤解 歯科医が解説

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、歯磨きにまつわる医療情報が氾濫している。「歯磨き粉は必要ない」というものから「歯磨き自体が必要ない」「いや歯を磨いてはいけない」など、かつての医学常識から見ると驚天動地の話も多い。どう受け止めればいいのか? 自由診療歯科医で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に聞いた。

【1】食事の後すぐに磨いてはいけない

 これまで歯磨きは「1日3回、食後3分以内に、3分間」が常識とされた。しかし、真っ向から反対する歯科医師もいる。

 唾液は虫歯菌や歯周病菌などの口腔内細菌を除去してくれるうえ、食後に軟らかくなった歯を30~60分かけて元に戻す働きがある。食後の歯磨きはその大切な唾液を洗い流してしまうので、逆に口腔内細菌が増殖しやすくなるというのだ。

「唾液に殺菌作用があるのは本当です。まれに歯磨きをしなくても虫歯一本ない人もいます。だからといって誰もが歯磨きをしないでいい理由にはなりません。そんな人でも、加齢や飲んでいる薬の種類や睡眠不足などで唾液の量は減り、質も落ちる。そうなると、食後に歯磨きしないと、すぐに虫歯や歯周病になります」

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